出先で急に大きな荷物を積むことになったり、タントで車中泊をしたいけれど後部座席の倒し方がわからなかったりして悩んでいませんか。取扱説明書をわざわざ開くのも面倒ですし、力任せに動かしてシートを傷つけないか不安になりますよね。
この記事を読めば、タントの後部座席をフラットにする正しいやり方が直感的にわかり、さらにネックとなる段差を解消して快適な空間を作る方法まで完全にマスターできますよ。ちょっとしたコツさえ掴めば、女性や力に自信がない方でもあっという間に広いスペースを作ることができます。
軽自動車特化メディアで数々の人気車種を徹底検証してきた私が、カタログスペックだけではわからない実車でのリアルなシートアレンジを解説します。実際の使い勝手や、オーナーだからこそ気づく注意点も交えてお伝えしていきますね。
迷わず30秒で後部座席をフラットにできるだけでなく、荷室にできる不快な段差の解消法や、100均アイテムなど身近なもので車中泊を快適にするコツも手に入ります。ぜひ最後まで読んで、あなたのタントの積載力を最大限に引き出してみてください。

●タントの後部座席をフラットにする3つの手順と事前準備。
●シートを倒した際に生じる段差や傾斜のリアルな実測値。
●身近な100均アイテムなどを活用した段差の具体的な解消法。
●旧型の操作方法や長尺物を積載する応用アレンジ術。
タントの後部座席をフラットにする具体的なやり方

タントの後部座席をフラットにする手順は非常にシンプルであり、たった3つのステップで完了します。特別な道具や強い力は一切必要ありませんよ。
ダイハツのタントは、背もたれを倒すと同時に座面が低く沈み込む「ダイブダウン機構」を採用しているため、簡単な操作で低い位置に広大なフラットスペースを作り出すことが可能です。これにより、天井の高いタントの室内空間を上から下まで無駄なく使えるのが嬉しいポイントですね。
それでは、具体的な手順を順番に見ていきましょう。作業を始める前に、前席(運転席・助手席)を少し前にスライドさせておくと、よりスムーズに作業が進みますよ。
手順1:シートを一番後ろまでスライドさせる
まず最初のステップとして、後部座席を一番後ろまでスライドさせます。ここをしっかりやっておかないと、後で背もたれを倒したときに前席の背面にぶつかってしまうことがあるので注意してくださいね。
座席の下部、足元付近にあるスライドレバーを引き上げながら、シートを最後端までしっかりと下げてください。もし荷室側から操作する場合は、シート背面に付いているレバーを引っ張りながら後ろに引き寄せることもできますよ。やりやすい方法で試してみてくださいね。
これを先に行うことで、背もたれを倒した際に前席と干渉せず、スムーズにフラットな状態へ移行させることができます。また、ヘッドレストが一番下がっているかもこの段階で確認しておくと安心です。

手順2:肩口のレバーを引き背もたれを倒す
シートを一番後ろまで下げたら、次は背もたれを前に倒していきます。この操作も驚くほど簡単ですよ。
背もたれの肩口の外側に設置されているリクライニングレバーを引き上げながら、そのまま背もたれを前方にパタンと倒してください。レバーを引くとロックが外れるので、軽い力で前に倒れてくれます。
左右のシートが独立しているため、片方ずつ確実に操作を行っていきます。片側だけを倒して「3人乗り+荷物多め」というアレンジができるのも、タントの使い勝手の良いところかなと思います。
手順3:座面を床に沈み込ませて完了
背もたれを前に倒したら、最後に上から少し押し込むようにして座面を床へ沈み込ませます。ここがタントのシートアレンジの最大の肝になります。
背もたれの上からグッと下方向へ体重をかけるように押すと、カチッとロックがかかる音がします。この音がすれば、座面ごと下にガクンと沈んで荷室(ラゲッジスペース)の床面と綺麗に繋がりますよ。このロックを怠ると、走行中の振動でシートが跳ね上がってしまうことがあるので、しっかり音がするまで押し込んでくださいね。
なお、シートを元の状態に戻す際は、レバーを引きながら背もたれを起こします。このとき、シート根元にある安全確認用の赤いマーカーが見えなくなるまでしっかりとロックされていることを必ず確認してください。赤い色が見えているうちは固定が不完全な証拠なので、同乗者の安全のためにもカチッと戻すのを忘れないようにしましょう。
タントは完全なフルフラットにならない?段差の真実
タントの後部座席を倒しても、実は完全な水平のフルフラットにはなりません。「えっ、フラットになるんじゃないの?」と思ってしまうかもしれませんが、ここには少し注意が必要です。
メーカーの公式情報(出典:ダイハツ工業公式『タントの外観・室内空間』)では「フラットな荷室」と表現されていますが、実際にはシートの厚みや可動部の構造上、どうしても数センチの段差や、前上がりの傾斜が生じてしまうのが現実なのです。最新のモデルでも、完全に真っ平らな部屋の床のようにはならないのが惜しいポイントですね。
カタログには載らない数センチの段差と傾斜
実際にメジャーで計測してみると、荷室の最奥部(バックドア側)のフロアボードと、倒した背もたれの裏面との間には、約3〜5センチ程度の段差が発生します。さらに、倒したシート自体も少し斜めに傾斜しています。
車種の年式やグレード、上下2段調節式デッキボード(仕様による)の有無によってもこの段差の感じ方は異なりますが、完全に平らな床面を期待していると、この微妙な段差に「思ったより凸凹しているな」と驚くかもしれません。カタログの写真マジックに騙されず、この数センチのギャップがあることを事前に知っておくのが大切ですよ。

そのまま車中泊や休憩をするデメリット
この段差がある状態で、対策をせずにそのまま車中泊や長時間の休憩をすることはおすすめできません。少し横になるくらいなら平気そうに見えますが、実際に寝てみるとかなり違和感がありますよ。
短時間だけ硬い荷物を置く用途であれば全く問題ありませんが、人がそのまま寝転がると腰や背中にちょうどこの3〜5センチの段差が当たり、翌朝起きたときにひどい腰痛や体の痛みの原因になってしまいます。また、シートの傾斜のせいで、寝ている間に体が足元の方へずり落ちてしまう不快感もあります。
さらに、走行中に荷物を載せる場合でも、この傾斜のせいでブレーキをかけたときに荷物が前に滑りやすくなるというデメリットもあるため、快適かつ安全に使うためには適切な対策が必要不可欠かなと思います。
タントの段差を解消!車中泊を快適にする3つの裏技
先ほど解説した気になる段差ですが、諦める必要はまったくありません。身近にあるアイテムを使うことで、劇的に、そして簡単に解消できるんですよ。
ここでは、コストをできるだけ抑えつつ、車中泊や休憩の質をワンランク向上させる3つの実践的な裏技を紹介します。自分の予算や用途に合わせて選んでみてくださいね。
100均のジョイントマットで手軽にかさ上げ
最も手軽でコストパフォーマンスが高いのが、100円ショップで販売されているEVA素材のジョイントマットを活用する方法です。SNSなどでもよく見かける定番のDIY対策ですね。
荷室側の少し低くなっている部分に、マットを数枚重ねて敷き詰めるだけで、背もたれ側の高さと綺麗に揃えることができます。タントの段差は約3〜5センチなので、一般的な1cm厚のマットなら3〜4枚重ねるとちょうどいい高さになりますよ。ハサミで簡単にカットできるので、タントの荷室の形状に合わせてぴったり敷き詰めることも可能です。
使わない時はバラして重ねればコンパクトに収納できるため、トランクの床下や隙間に常に積んでおいても邪魔になりません。安く手軽に済ませたい人には一押しの方法です。
厚手バスタオルやクッションで隙間を埋める
「今すぐ出先でなんとかしたい!」という応急処置を求めている場合は、家にある厚手のバスタオルやクッションが役立ちます。わざわざ新しい買い物をしなくても今すぐ試せるのがメリットですね。
バスタオルをぐるぐると固めに丸めたり、平らに折りたたんだりして、段差の境界線や凹んでいる隙間にしっかりと挟み込んで傾斜をなだらかにします。クッションを使う場合は、ある程度硬さがあるものを選ぶと、人間の体重がかかっても潰れにくくて良いですよ。
あくまで即席の対策ではありますが、これだけでも背中や腰へのゴツゴツとした圧迫感が大幅に軽減されます。車内に数枚バスタオルを常備しておくだけでも安心感が違いますよね。
車中泊専用マット・長座布団の活用
本格的にソロキャンプや車中泊を楽しみたい、連泊しても疲れない仕様にしたいという方には、市販の車中泊用インフレーターマットや、ニトリなどで買える厚手の長座布団の導入が最適かなと思います。
バルブを開くだけで自動で膨らむインフレーターマットで、特に厚みが5センチ以上、できれば8センチほどあるマットをシートの上に直接敷けば、下にある多少の段差や傾斜の存在を完全に無効化できます。クッション性が高いので、タントのシートの凸凹を全く感じなくなりますよ。
まるで自宅のベッドのように快適な睡眠空間が完成するため、頻繁に車内で寝泊まりする方や、長距離ドライブでの仮眠が多い方には投資する価値が十分にある必須アイテムと言えます。なお、車中泊の際は、頭を車両の前方(フロント側)に持ってきた方が、シートの緩やかな傾斜に対して自然な向きで寝られるのでおすすめですよ。

タントのシートアレンジに関するよくある質問
最後に、タントのシートアレンジについて、読者の方からよく寄せられる疑問や迷いやすいポイントについてお答えします。事前に知っておくと、いざという時に困りませんよ。
タントは歴史の長い車なので、ご自身の乗っている年式やモデルの仕様、あるいは使用目的に合わせて、最適な使い方を見つけてみてくださいね。
初代や旧型(LA600S等)でもやり方は同じ?
タントは世代(年式)によってシートの格納方式やレバーの位置が微妙に異なります。基本的には似ていますが、古いモデルに乗っている方は少し操作が違うかも知れません。
例えば、先代のLA600S型やさらに前のL375S型などでは、背もたれをただ前に倒すだけでなく、座面を一度前方の足元にパタンと持ち上げて(跳ね上げて)から、その空いたスペースに背もたれを落とし込む「ダブルフォールディング式」を採用しているモデルやグレードもあります。現行型のように上から押すだけではないので、少し戸惑うかも知れませんね。
もしご自身の車がどのタイプかわからない場合は、シート座面の付け根や端っこに、引き上げ用の織物の紐(タブ)が飛び出ていないかを確認してみてください。その紐を引っ張りながら操作すると、カチッと座面が動くはずですよ。取扱説明書がお手元にあれば、一度仕様を確認してみるのも確実ですね。
助手席も一緒に倒してロングスペースを作るには?
ホームセンターで買った長い木材やサーフボード、カーペットなどの長尺物を積載したい場合は、後部座席の片側を倒すだけでなく、助手席も一緒に連動させて活用するのがおすすめです。タントの広さがさらに活きてきますよ。
具体的なやり方としては、まず助手席のヘッドレストを完全に取り外します。そのあと、助手席のシートを一番前までスライドさせ、背もたれを後ろ(後方)に向かって限界までバタンと倒してください。こうすると、助手席の背面と後部座席の座面がドッキングして、フロントガラスの手前からバックドアまで続く、2メートル以上の長いロングスペースが生まれます。
現行型の一部グレードでは、助手席の背もたれを前方にパタンとフラットに倒せる「助手席ターンシート」や前倒し機構が付いている場合もあります。この助手席をフルに絡めたアレンジを覚えれば、軽自動車とは思えないほどの積載力が手に入り、大きな買い物でも配送の手配をせずに自分で持ち帰れるようになるかも知れませんね。
まとめ
タントの後部座席は、前席との干渉に気をつけながら後ろにスライドさせて、肩口のレバーで背もたれを倒し、最後に座面をグッと床に沈み込ませるという、シンプルな3つの手順で広々とした空間を作り出すことができます。慣れてしまえば本当に30秒足らずでできてしまいますよ。
構造上どうしても発生してしまう荷室との数センチの段差や前上がりの傾斜については、100均のジョイントマットを重ねたり、家にある厚手のバスタオルや車中泊専用のインフレーターマットを使ったりすることで、誰でも簡単に解消できます。車中泊の際は頭の向きを工夫するのも大切なポイントでしたね。
タントの魅力であるミラクルオープンドアと、この正しいシートアレンジ、そして賢い段差対策をマスターして、あなたのタントを最強の実用車・快適な車中泊カーとしてフル活用してくださいね。まずは一度、天気の良い日に駐車場でシートを倒す練習から始めてみてはいかがでしょうか。


